MARIHA SALON
Site: 東京
Architect: 芦沢啓治建築設計事務所
Project architect: 芦沢啓治 / 井上菜々子
Design: 芦沢啓治建築設計事務所
施工: ファインアーツ
家具:カリモク家具、Karimoku Case
照明計画: AURORA/市川善幾
Styling: 中田由美
Photo: 見学友宙
ジュエリーやファッションを展開するMARIHAの2つ目のショールーム兼オフィスのプロジェクトである。最初のオフィスは同じ建物内にあり幣事務所で手掛けていたことから、トーンを継承しつつ、よりプライベート感のあるサロンの空間としてデザインした。
ショールームとオフィスの機能を持たせながらも、特別なゲストとして招かれた「住宅」のような空間を作ってほしいとのリクエストを受け、ジュエリー・家具・空間の一体感を大切に、誰かの家の中を訪れたような感覚で商品を見ていただけるように工夫している。
シンプルな空間に対して、1枚の大きな左官の独立壁をキーエレメントとすることで、自然な流れに沿う回遊性のある空間を構成した。エントリーではMARIHAのロゴとともにインティメイトでコンパクトな空間でゲストをお迎えし、空間への期待感をさりげなく誘う。リビング側ではアートと共にゆったりとしたラウンジを受け止め、特別に招かれたとゲストに感じる演出としている。
ジュエリーはMARIHAの世界観を表現するため、中田由美氏によるスタイリングとセットでジュエリーケースだけでなく、壁一面のディスプレイ棚にも散りばめている。
最初のオフィスや表参道の旗艦店と同様にオーク材とブランドカラーであるゴールドをベースとし、Karimoku Caseに協力を仰ぎテキストタイルを吟味した家具や商品化前のプロトタイプを配し、ディスプレイ棚や什器などは特注で製作した。
絞り込んだマテリアルとして左官の独立した大きな壁、オーク材の家具、ゴールドの金物などをつかい細かなディテールを積み重ねることでジュエリーはこの広い空間に対して存在感を表し、ショールームでありながら住宅に招かれたような空間という一見相反する要素を、見事に調和しつつ上質な空間に仕上った。