House in Saiko

2017

雄々しい崖に対峙し、美しい富士山を望む。
大きな楠木のダインニングの天板が自然と家を繋ぐ。

自然豊かな富士五湖の一つである西湖の湖畔に、富士山を望む別荘の計画。
 
敷地は豊かな自然に囲まれ、また敷地南側の木々の間からは富士山が見える。クライアントは特に、東側に立ちはだかる崖に生える岩肌と赤松が気に入り、このプロジェクトが始まった。
 
要望は極めてシンプルであった。寝室が一つ。大きなバスルームが一つ。そして皆がくつろげるリビングと、布団をひいて寝られるスペースである。そこでクライアントが所有していた楠の一枚板をリビングの中心に据え、東側に大きな開口部を設け、また雄々しい崖と赤松を愛でつつ庭を作り、リビング空間につなげている。バスルームは南側に据え、富士山を望む開放的な空間とした。ロフトスペースは畳となっており、この別荘に集まる子供の遊び場であると同時に、寛ぐにはちょうどいい大きさの空間となっている。
 
結果、シンプルな空間構成による力強い空間と楠の自由な形状が、東側から見える自然の要素と程よいコントラストが共鳴し、人々の意識を外へと広げ、心地よい緊張感をもたらし、内外の空間を一体化している。