Blue Bottle Coffee Shibuya Cafe

2021

渋谷駅から代々木公園に向かって歩く公園通りから一本入ったところに渋谷区が有する北谷公園。今回の改修によって周囲に開き都市公園らしい公園となった。その北谷公園内にある2階建ての建築において唯一のテナントがBlue Bottle Coffee Shibuya Cafeである。

まず、公園のカフェとしての佇まいをインテリアのデザインとしてどう考えるのか、見せるのかを考えている。2階への誘導も含め動線計画から検討しなおし、北側に設けられた自動ドアはサブのエントランスとし、東側公園からをメインの動線系としている。結果、公園との親和性はまし、ピロティー空間と2階への誘導もスムーズになっている。また北谷公園が土の公園であった記憶、また公園の一つのエレメントとして、火山灰から作られたタイルを選び、1階はカウンターに、2階は公園から視認性がある壁一面に貼った。

このタイルは今回公園とカフェを、そして1階と2階のインテリアをつなぐ役割としても機能しているとともに、渋谷のブルーボトルはタイルのお店という認識を持ってもらう意味でも今回のインテリアにおいて最も重要なマテリアルである。 1階の座席はカウンターでバリスタがコーヒーを淹れる様子や外の公園を見ながら滞在できるようハイカウンターとローカウンターを設置した。

また、2階にはカーテンで区切ることのできる床のレベルを落としたソファエリア、楕円形のダイニングテーブル、図書館のようなライトで手元を優しく照らしてくれるハイテーブルに加え、タイルによる大きなローテーブルを囲んだソファエリアと、多様なシチュエーションで各々の楽しみ方を模索してもらえるような計画であるとともに、どこにいても公園の緑が見える配置としている。

渋谷カフェでは、初となるアペタイザーとナチュールワインの提供も計画されており、従来のカフェだけでなく、少し違ったブルーボトルを楽しめる。また、そのような夜のメニューだけでなく、公園の中でまるで友人宅に招かれたかのような居心地を楽しんでいただけると幸いである。