Blue Bottle Coffee Jakc Cafe

2022

瓦は、日本と中国両国に共通するマテリアルである。中国製法、日本製法の2種類の瓦を壁と床に使用することで双方の文化を混ぜることを考えた。

中国、上海上陸後2店舗目となるブルーボトルコーヒー Jing An Kerry Centre カフェのインテリアプロジェクト。 ブルーボトルコーヒーはコーヒーの味(素材、焙煎など含め)、ホスピタリティ、そしてデザイン、3つの要素で美味しさが完成すると考えているそうだ。そして、その地域コミュニティも非常に大切に考えていることから、私たちがデザインする全ての店舗においても、そのコミュニティや地域に根付いたマテリアルやデザインディテールを採用しながらも、一方で今まで手掛けてきたカフェと同じ素材やディテールもバランスよく残すことにより、ブランドとしてのランゲージを軸として表現できるよう努めている。
ブルーボトルコーヒーJing An Kerry Centre カフェは、私たちにとって4店舗目のブルーボトルコーヒープロジェクトとなる。敷地は1,000年の歴史を誇る「静安寺」を中心に栄えてきた繁華街に位置するKerry Centreに接続したビルの1階、2階で、外装、外構も含めると120席備える、ブルーボトルとしても大型店舗の内装、ファサードデザインを担当した。 一見素っ気無い、しかしながら端正なコンクリートの素朴なファサードを作り、そこにブルーボトルコーヒーのアイコンを設えた。インテリア空間としては建築の中にもう一つの建築を作り込んでいくような考え方の基、本来は外装材として使用される瓦がインテリアエレメンツとして大胆に使用することにした。また、敷地がエントランスから細長く奥へ伸びているところにキッチンをレイアウトする必要があったことから、まるで上海の路地に佇んでいるかのような感覚を目指した。
今回キーマテリアルとして選択した瓦は、以前から中国と日本を往来する中で、両国に共通するマテリアルであり、同時にそれらの製法が異なり異なるテクスチャーを持つことも興味深く思っていたものだ。インテリアエレメンツとして中国製、日本製のの二つの瓦を壁と床に使用することで双方の文化を混ぜることを考えた。
家具は、日本の3店舗のブルーボトルコーヒーにおいてもコラボレーションしてきたカリモク家具によってしつらえている。その多くは我々のデザインである。そうすることでインテリアのディテールとの調和をはかり密度の高いデザインを狙っている。また、このカフェのためにアームチェアと、ラウンジチェアをデザインしている。
まるで上海の路地空間のような店内に、革を張った椅子やソファー。それらと一見ラフに見える瓦、そしてコンクリートのスケルトン空間とのコントラストの中に、ブルーボトルコーヒーが元々持っているコンテンポラリーな感覚と上質を織り交ぜた心地よい緊張感のある空間を目指している。