WEBSITEを作り直すことの意味
ついに重い腰をあげてウェブサイトをつくりかえた。いや、つくりかえてもらった。みようみまねでwebを作ったのがちょうど事務所の立ち上げ前だと思うから、2004年。それから7年間もお世話になったわけだ。その間、ベーシックな部分はなにも変えていない。当時はyahooに登録してもらうためにお金を払う必要があった。ビジネスエクスプレスというサービスがあって、6万円近くのお金を払うと登録がスムーズだというふれこみ。おそらく中小企業のサイトはお金をはらわずして登録はしてもらえなかったのだと思う。いまでもそのようなサービスはあるときくけれど効果のほどはいかがなものか。SEO対策という言葉はなくなるという人もいたりして(ソーシャルメディア台頭により。)まあどうなんだかわからないことだけれど。
素人の僕だってウェブの重要度は当時僕がつくったとき以上に重要になりつつあることは実感する。僕らのような職能におけるwebに限定すると、一つには海外からの仕事をどう考えるかということ。知人が上海に、台北にオフィスを構えるという話を言い出している。僕ですら海外からの仕事の話がちらほら出始めているからその裾野は広がりつつあるのだろう。それは国内の需要が減っていることの裏返しでもあるのだが、そこへの態度は明確にしていく必要がある。先日ほとんど詐欺のような電話が海外からかかってきて、Bigクライアントとのman to manミーティングを2泊3日でマカオでやるというもの。その電話の主いわく、「君はこれから成長していくアジアに対して何か戦略をもっているのかね?」strategy??といってくるわけだけど、戦略をもったからといって物事がうまく運ぶほど商売はあまくない。どんな商売だって。ただし、戦略なく突進してもうまくいかないような気がするからまあ、やっぱり重要なんだろうな。しかし、なんで戦争用語をつかわないといけないんだろう。いずれによせwebをつくっているとそのあたりのことは考えざる得ないから、いいきっかけだし、電話の主もぼくのwebの英語によってかかれたコンセプトを引用して、君はうけるよ!と甘い言葉をかけてきた。
もう一つ,残念なことだけれど雑誌メディアが弱体化しつつあることだ。僕らはメディアと並走することで、なんとかその営業力を借りて仕事をとってきたところがある。もちろん口コミや人づてのほうが多いとも聞く。僕もどちらかというとそうだけれど、それらを担保するという意味で雑誌メディアに掲載してもらえるのは非常にありがたかった。がしかし、次々と雑誌は廃刊となり、雑誌にのせて連絡がくるのはメディアばかり。さらに雑誌にのっていてめでたく連絡しようと思った矢先、webでのプレゼンテーションが上手でなければクライアントを振り落としてしまうに違いない。きっと僕の誤字脱字の多いブログも大いに振り落とし貢献したことだろう。(逃してであろう大魚を悔やんでいる。)いや、そんなことでクライアントはパートナーを選んではいない、という意見も当然ある。現に僕のクライアントの半分はblogやwebをみてはいない。そして、これまた表裏一体かのように言われているweb mediaの台頭。ここに心より与したいとは思わないけれど、反響や広がりの大きさを考えるとメディア戦略の中で彼らのことは全く無視できない。具体的にいうとdezeenやdesign boomといったところのサイトだ。実際ここでの掲載から来た話だろうなと思われる仕事がなくもない。
とまあ、webのよもやま話はこの辺りにして、今回作ったwebについて。webのデザインはいたってシンプルなものだ。(room-composit) 写真と情報を的確に伝えるというコンセプトである。分類も時系列で組み上げていく。(もちろんそこは操作することは可能だけれど。)何かが動いたり、美しいトップページも荘厳な音楽もない。事務所の仕事を編集してのせてある。写真も9枚と限定した。実際カメラマンからは一つの建築で30枚ほど購入するこもあるが、すべてを見せたいのをぐっとこらえて9枚である。メインのシステムは word press。だから僕が簡単に更新できる。更新しても基本のレイアウトは変わらない。また英訳していないプロジェクトも多数あるが今度外国人のインターンにやってもらおうという魂胆。それも簡単に追記できる。word pressで、ここまで出来るの?というwebsiteになっていると思うのだけれど、当然できないらしい。プログラマー(tebito)に細かくいじってもらってカスタマイズされている。というわけで素晴らしいプラットフォームができあがったわけだ。今回尽力いただいたおふた方には心より感謝申し上げたい。
さて、プラットフォームはつかってこその価値があるわけで、さっそくプロジェクトを移行した。10年分のプロジェクト。画像の調整やらテキストの調整やらでなんだかんだ手間がかかる。が、今後1プロジェクトごと増やしていくのはいままでにくらべると何と楽なことだろう。画像さえ送り込んでおけば、誰のパソコンからでも修正ができる。あらためてクラウドってすごいな。いくつかのプロジェクトは今回リニューアルのタイミングで増やしている。SKY GARDEN HOUSE, MISHIMA HOUSSE,WALL HOUSE(peter stuchburyのローカルアーキテクトとして。),SHELF,CANDLE HOLDER,HOW TO MAKE FLAT PACK….
さらには、写真の画質や大きさにも注意を払った。いままでまともに見れないという指摘もあった。そんなわけで今後のこのWEBにうまく営業してもらって、僕はただ仕事をすればいいという環境になることを心から望んでいる。
wall house | Peter Stuchbury architects with Keiji Ashizawa Design | photo: Daici Ano