BELLUSTAR Penthouse

2023

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家具:KARIMOKU CASE

都心の中心地である新宿に誕生した東急歌舞伎町タワーのBELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel最上部となる45階から47階にある5室のBELLUSTAR Penthouse、BELLUSTAR Restaurant & Bar、SPA sunyaのインテリアの設計のプロジェクトである。今回のすべての空間には、カリモク家具との協働による家具を配している。

200メートル下の都会の喧騒から解放され、富士山まで見渡せる眺望はまさに絶景である。豊かなスペースと、東京の中心である景色。都心でありながら静かに暮らせる贅沢は他に比べようがないだろう。しかしながらゲストが滞在する間、その眺望すら忘れてしまうような美しい静かな空間を作ることに専念した。

歌舞伎町タワーにおいても最も壮大な空間である、南側に面したBELLUSTAR Restaurant & Bar。3層吹き抜け空間をもち、東京の景色と一体となる。窓側の席は、まさに景色に溶け込むような印象を作り、窓から離れた四人席は、景色を楽しみながら少しプライベート感を作り出すために特注で製作したペンダントライトを壁から持ち出している。隣接する東側に面したバーでは、メインのスペースとして窓に向いたラウンジチェアーによる構成とした。バーカウンターは、鏡によって景色とお酒の配列を楽しみ、円形のラウンジソファーは、仲間と共に団欒と、お酒、そしてビューを楽しむためのものとして設計されている。

西側に面した2つのレストランでは、鉄板焼と鮨を味わうことができる。鉄板焼きのジグザクさせたカウンターは、カウンターに横並びではなくカウンターに立つシェフに対して少しでもプライベート感を演出しつつ、外の景色も楽しめるようにと計画した。鮨屋では、伝統的な江戸前鮨を食べる上で、鮨のように空間は削ぎ落とされたシンプルさがあり、またそこから見える景色と相まって、独特な空間を作り出している。

歌舞伎町タワーの最上階に位置し、西側に面したSPA sunyaは、ホテルの利用者、外部の人たちも使うことができ、スパの時間は、まさにリラクゼーションと美容、双方のための至福の時間でもある。施術ルームからのビューやラウンジにおいては、ペントハウスのホテルと同様のデザインコードで作っており、最高のくつろぎを最高の景色の中で味わってもらえればと思い設計した。

PENTHOUSE Loungeはまさにサンセットを楽しむラウンジであり、その静かであろう世界観を作りたいと思い、適度な空間量において、心地よい密度感を作るために家具を配している。

日本の四季の美しさからインスピレーションを得たBELLUSTAR Penthouseは、「天」、「花鳥風月」と名付けられ、それぞれの静謐な美しい空間をもつ5室で一つの世界観を表現している。Norm Architectsとのコラボレーションにより、豊かな材料と、美しいシンプルなデティールで構成された空間となり、東京のど真ん中でありながら落ち着いた気分で日常的に過ごすともに、非日常的な環境も併せ持つ特別な空間が生まれている。
照明計画は陰翳礼讃を意識し、眩しさがないように注意深く配置するとともに、空間の中で陰影が心地のいいバランスとなるように計画した。漆喰の色や、テキスタイルの色は自然界の色から注意深く選択し、床の壁の色、家具の色などがバランス良くまたシンフォニーを奏でるように選ばれている。

景色と空間がだけが浮かび上がるように、ノイズを取り除いた美学的な空間に身を沈めていると、心が落ち着いてくるのが分かり、都市での高揚感と静かなホームによって旅の体験はより幸福感を感じられることと思う。

この都心の最上階層にある立地と素晴らしい眺望の中で、非日常でありながらも日常的な、静かで美しい時間と空間を楽しんでいただけたら幸いである。

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家具:KARIMOKU CASE