健太郎君の結婚式
6年目のスタッフである山口健太郎君がこの度めでたく結婚した。北海道のトマムで行われた結婚式だが、私の家族そして全てのスタッフが参列、そして披露宴に出席させてもらった。とても心温まる素晴らしい結婚式だった。また新郎の上司ということではじめて主賓の挨拶などというものもした。(上手にはできなかったけれど。。)挨拶を考えながら彼が事務所にきたときのことを思い出した。決して人が必要な時期ではなかったが、給料はいらないとメールに書いてあり思わず雇ってしまった。(弊社の名誉のために言うがすぐに給料は払った。)とにかく潜り込んでしまえばあとは能力を発揮してもらうだけだ。彼の模型能力にすっかり魅了されて今や6年目である。模型のみならず彼独特の飲み込みの早さやデッサン力、そして最近ではデザインも信頼できるようになってきた。もうどこの事務所に送りこまれても重宝されることと思う。ところが、あと数年後には、いや1ー2年かもしれないが、おそらく彼は事務所にはいないだろう。それが設計事務所の宿命なのだ。それでも僕らはともに過ごした濃密な時間がある。数年間、家族よりも長い時間を過ごしてきたわけだ。血はつながっていないが、家族みたいなものだ。つまり、「独立するから辞めたい」というだろう。当然のことだ。僕も早く自立したかった。家族のようなものだから、いつでも帰ってくればいいと、彼を送り出すつもりだ。ブンデスリーガ-ドルトムントの監督クロップが日本代表の香川をイギリスに送り出したように。うまくいかなかったらまた手伝ってくれー!といいながら。